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Sweet Brown [ひとこま]

 兵庫にあるお気に入りの雑貨のお店に行った。そのお店はボブカットでメガネをかけた、物腰が柔らかい20代真ん中ぐらいの女性が切り盛りしていた。店内は5、6人入ってしまうと少し窮屈になる大きさで、雰囲気は買い付けてきた西洋雑貨が多いため、茶色と白色の配色が強く、落ち着いた印象与えるお店であった。


 閉店するらしかった、4月の上旬で。アクセサリーの制作に専念するためと店主さん(切り盛りしている女性)が話してくれた。ここは商品ひとつひとつに、どんな人が作って、どんな商品なのか、丁寧に説明してくれて、購入したものはかならず丁寧にラッピングしてくれた。そのおかげでラッピングに興味を持つようになり、ラッピングをするきっかけをくれたお店だったから、心底、残念だった。


 いとおしくて、店主さんとお喋りしながら1時間ぐらいお店の商品をひとつひとつじっくり眺めた。店内には閉店にあわせて、アーティストさんがそれぞれ作ったアクセサリーや雑貨などの限定商品が並んでいた。「採算が(提供してくれるアーティストさんの方の)あってないんじゃないかと思うんです。。。」と、店主さんがもらしてしまうほど、安価な値段で販売されているものも多く、愛されているお店なんだと思った。


 精算するときに福岡で買ったお菓子の『通りもん』をプレゼントした。新しい旅立ちとラッピングの楽しさを教えてくれたから、その感謝を込めて。


 また、いつか開いてほしいなぁ。一番好きなお店だから。開いたその時は、作ったアクセサリーをラッピングして手渡そう。プロの人だから渡すときドキドキするだろうけど、不出来でもきっと喜んでくれると思うから、気持ちを添えて手渡そう。きっと。 




冷たくない雪 [ひとこま]

 ゼミの飲み会をしました。ゼミ生全員での飲み会ではなく、気の知れた仲間数人で行う小さな飲み会。トランプを持っていくと、久しぶりに遊ぶトランプは面白く、飲み屋を梯子してまでみんなでトランプをしました。飲み屋で大富豪(地域によっては大貧民)を4時間ぐらいずっとやっていました。勝って勝利を叫び、負けても文句を言って笑っている、勝敗なんてどうでもいい楽しいやりとりでした。「卒業式もまたトランプしよう」という話になって終電まじかの時間帯に笑いながらみんなと別れました。


 自宅付近に向かう電車に乗ろうと切符を買おうと思ったら、切符の販売機が動いていませんでした。とっくに終電は行ってしまったようでした。自宅までの道のりは6キロ半ぐらいで、タクシーなんてお財布の状況からありえません。「トランプして、乗り過ごすなんてアホやな~」と、笑いながら歩くこととしました。


 駅のホームを出ると、大阪では滅多に降らない雪でした。夜、特有の情緒的な別れのさみしさを含んだ雪ではなくて、なんだか温かみを持った雪だと思いました。吹雪いていたけれど、うれしくなりました。歩くことも苦ではありませんでした。ただ、靴下はびしょびしょ、黒のコートは雪で白いぶち模様になり、治りかけの風邪は鼻水が止まんなくなってしまったけれど・・・


 自宅に着くまで、1時間半もかかって、明日が今日になっておりました。家では父が起きて待っててくれたようで、雪まみれの格好に、歩いて帰ってきたと言ったら呆れられました。「迎えに行ったのに」と言われたけれど、歩いてよかったと思いました。きっと言ってもこの気持ちはわからないだろうと思いました。良い思いでした。





 雪が積もればいいのにと思ったら、建国記念日は積もりました。雪の日は楽しゅうございます。

つもらないこのまちで [ひとこま]

 母の歓声でぼんやり目が覚めた。声が聞こえたベランダに向かうと真っ白だった。いつものの街が知らない街に見え、目が覚めるほどだった。大阪ではほとんど積もることのない、雪が積もっていた。以前積もったのは高校生の頃で、4年以上昔の出来事だった。



 モカ(柴犬の♂)とベランダで遊んだ。モカは雪振る中走り回り、私は雪だるまを作っていた。とても楽しかった。雪国に住まなくてよかったとも思った。きっと住んでしまったら、こんなうれしい気持ちにならないから。



 建国の有り難味だなんて、さっぱりわからないけれど、今この瞬間ここに入れるのはうれしいと思った。



【モカにとって初めての雪】



【雪だるま?】


■妹に「コワ!!」と言われた。恐怖の雪だるま。

ぐったりん [ひとこま]

 風邪を引いた。以前いつ頃、引いたかわからないほど久しぶりに。最近、暖かくなってきて、薄着で出かけたことがよくなかったらしい。症状は典型的で頭が痛い。そして、何より体がだるく、動きたくない。久しぶりに感じる懐かしい感覚だった。


 寝込んでるとき、風邪で思い出したことがあった。今年の1月の頭、大学の友人が風邪を引いて大学のアルバイトをしていた。本人は少し辛そうであったが、ついいつもの口調で、「風邪を引くなんてバカだなぁ(笑)」と言ってしまった。代わってやればよかったと今更ながらに思った。義務とか関係なく、とても働きたいもんじゃない。元気なのも、いささか問題である。病気の辛さをころっと忘れてしまうのだから。

 
 どうせ家でずっといるならと、図書館から借りて積み上げた本の山でも読破するかと思えど、だるくてできない。同じ理由でアクセサリーも作れやしない。とっても退屈であった。ただ、晩御飯のメニューが自由に選べて親が買ってきてくれたり(ちなみに、海老フライを頼んだ。お粥なんてシケたもんはヤダ)、うちのワンコが添い寝してくれたり(うれしくて抱きついたら逃げられた)、悪いことばかりではなかった。


 たま~になら、風邪を引いてもいいかなぁと思った。頭痛も鼻水もだるさもなくて、体温だけいつもより高いそんな風邪だったら、いつでもウェルカムである。書いててまた、タルタルソースがいっぱいかかった海老フライが食べたくなった。もうちょい、風邪さん居座ってくれないだろうか? いっそのこと、免疫さんと仲良くなって同居してくれたらいいのに。新しい家族なってくれないだろうか。



【寄り添ってくれるうちのワンコ】

ボケっぱなし [ひとこま]

「終わんないよ!こんなの!!」


 夜中、叫んでいた。半年分の授業内容をため込み、1日でテスト勉強を済ませようという考えが愚かであった。実を言うと、2週間前からやり始めようと思っていたのである。それが、「別に余裕、余裕」と言って、1週間になり、「オレできる子だし、土日でOK」といって2つ日になった。それが結局、日曜日になり現実を直視して驚愕したのであった。小学生の夏休みの宿題の心理である。10年たってもさっぱり進歩しない大学生がここにいた。



 日曜日は眠々打破を飲んで徹夜となった。200問近い問題をせっせと解いた。内容はIT系で、通信速度の計算問題やHDDのアクセス速度など計算問題が多くめんどくさい。ただ、やっていると楽しいもので、テンションが高かった。そして、不眠不休のためかおかしかった。真夜中の静寂の中、動画共有サイトを開いてアニソンを歌っていた。しかも、サクラ大戦のOPでかなりマニアックだった(たまたま歌った)。近所迷惑で変な奴がそこにはいた。きっとそれは私ではないなにかであって、そう、私じゃないと書いてて思った。



 なんとか徹夜で、登校するまでにテスト範囲を全部網羅して大学に向かった。試験は座席指定で、たまたま一番前の席であった。試験会場には、担当のM先生がすでに入らした。M先生は私が一番好きな先生で、30代真ん中のちょっぴり長めの茶髪に黒のスーツを着た男性の先生である。小物も全部黒で統一して、爪は透明なネイルを塗ってピカピカで、オシャレである。おかしなテンションの私は先生に一言。


私:「先生!座席が一番前でカンニングできません!」
先生:「4年になって、カンニングするのかよ、卒業できねーぞ」


 ボケにしっかりツッコミをしてくれる先生はいい人である。その後、試験がマークシートだったので、「先生、サイコロ忘れました!」と、運任せなことをして笑かそうと思ったら、さすがにあきれられた。テスト結果はたぶん、大丈夫。。。と思う。否、思いたい。だいたい落としたら、留年もありえちゃうし。。。先生はやさしいから助けてくれるさぁ!と、他力本願で特に気にしない。



 その後、ゼミ室で同じ試験を受けた後輩とおしゃべり。夜中、アニソン歌って楽しく勉強してたと笑顔で言ったら、「不審者ですよ」と苦笑いで警告されてしまった。そんな会話をしていたら、ゼミ室に先ほどのM先生がいらした。M先生は私のゼミの1年後輩にあたる3年生のゼミの担当で、同じゼミ室を利用している。先生のところのゼミ生のIくんをさっきのテストのときに伝言を伝えそこねて探しに来たらしかった。I君はIT系の資格をたくさん持っており、大学から表彰されるほどで、M先生ゼミ一番の秀才である。ちなみに、私だって4年ゼミで一番できると言われている!!。こんな展開で、一切信用なさそうだけど。。。それで、M先生も含め、私のテストが危ないとみんなでおしゃべりしてて、I君も試験会場にいたのかと思って、一言。


私:「先生、Iくんが席となりだったら、私、きっと満点でしたよ!」
先生:「後輩のカンニングかよ!」


 相変わらずボケて、笑いながら返してくれる先生は寛大であった。「先生、単位くれないと、お腰に付けたチェーンを引きちぎりますからね!」と、ついでに脅迫(?)もしたので、きっと先生はビビって単位をくれるだろうと思った。



 睡眠不足で変だ、変だと、こう書いているが、書いてて思うのは、言ってる発言はあんまりいつもと変わらないということ。いつも、先生を見るとボケたくなるである。笑いながら返してくれるから。これぞ、大阪ならではのコミュニケーションである。大学のいつもの他愛のない光景である。そう、大切な光景なのである。

カメの速さで [ひとこま]

 大学の帰り、たまたまAくんと一緒であった。Aくんとは2年からずっとゼミ同じであった。


 Aくんはでまじめでゼミ中で一番優秀で、そしてとても寡黙な人であった。私が人見知りであることもあり、2年生のころ、あいさつもろくにしたことがなかった。3年生になって、お互いあいさつもできるようになり、少しおしゃべりもするようになった。といっても、Aくんは自発的に話すこともなく、そのことに焦って、私が一方的にしゃべり倒すことが多かった。さっぱり言葉のキャッチボールもできてなかったし、お互い「…」のような無言の間も多かった。そして、4年生になり、ようやくAくんのことがわかってきて、相変わらず無言の間も多いけれど、会話も一方的ではなくなっていた。けれど、いつも話題を振るのは私であり、自発的にAくんが話してくれることはなかった。


 この日も私が話題を振っておしゃべりをしていた。内容はテレビゲームの話やら、卒論の話など、とりとめのない話。けれど、無言の間もなく、たのしくお互いおしゃべりしていた。突然、Aくんが脈絡もなく、「お正月なにしてました?」と切りだし、話題を振ってきた。私はAくんが初めて話題を振ってきてくれたことに少し驚いて、質問に意識が回らなくて、「う~ん、何してたかな。。。」と、はぐらかした。「Aくんは?」と訊いてみると、Aくんは堰を切ったように話しだした。内容は、初詣に寒い中、山に登ったら曇ってて朝日を拝めなかったり、新年早々、家が原因不明の水漏れでたいへんだったり、クスッと笑えるちょっぴり自虐ネタであった。Aくんが話している間、私は笑顔で相槌を打っていた。話の内容よりも、自分から話してくれることがうれしかったから。


 ここまで来るのに3年もかかってしまった。干支のウサギのように軽快に2人の距離は縮まらなかったけれど、互いにカメの速さで、ゆっくりでも得たものがあったのだと思った。得難いうれしい出来事であった。

イチゴキャンディー [ひとこま]

金曜ロードショーの『千と千尋の神隠し』を見て、涙してたらお腹がすいていまった。コンビニか何処かで何か買いにいこうと思った。部屋の鍵(ビジネスホテルの)を預けにフロントに行った。


深夜12時ぐらいでフロントに係りの人は立っておらず、覗かないと見えない奥のイスに20代の若いボーイのおにいさんがうつむいて座っていた。寝てるかなと思い、鍵を預けず外に出ようとしたら、入口の自動ドアのチヤイム音で気付かれてしまった。目があんまり開いていない少し眠そうな表情だったけれども、笑顔で対応してくれ、鍵を預けた。外に出たとき、少し申し訳ないなと思った。


外は星が綺麗だった。この知らない街(尾道)で知っているのは、一部の星の並びぐらいだった。コンビニを探すのに少し苦労した。ただ、ずっと空を見上げていて苦にはならなかった。


ホテルに帰ると、先ほどのボーイさんが「お帰りなさい」と、笑顔で対応してくれた。鍵をもらう際、「ご苦労様です。よかったら、どうぞ。」と、買った缶コーヒーを手渡した。お礼を言われて、鍵を持ってエレベーターに乗ろうと後ろを振り向いた時、「お返しってわけではないんですけど、よかったらどうぞ。」と、呼び止められた。振り返ると、手には白い包みにイチゴが描かれているイチゴのキャンディーがあった。「懐かしいですね。昔はよく食べてました。」と、笑顔でお礼を言って、意外なお返しを頂いた。


コンビニで買ってきたものより先にイチゴキャンディーを部屋でほお張った。懐かしい味がした。幼稚園ぐらいの時、よく貰ったりしたのを思い出した。子供のころも今も、あまりこのキャンディーは好きではないけれど、何だか嬉しかった。今日は甘くて美味しいそんな気がした。

小人の親切 [ひとこま]

 計量カップ欲しさに、100円ショップに行った。インスタントラーメンの500mlの水を量るのに欲しかったから。目分量で図ると水の量が多くなり、味が薄くなってしまうのが嫌で、わざわざお昼ご飯を我慢して買いに行った。

 
 最初のお店は販売しておらず、結局、隣町の100円ショップまでハシゴすることに。お店の大きさがスーパーぐらいなのにレジが2つしか無いためか、5,6人並び、少しレジが混雑していた。親子なのか手前にブロンドで髪が肩まである若い女性と、カートには1、2歳ぐらいの男の子が並んでいた。男の子は退屈なのか、カートで宙に浮いた足をバタつかせ、パチクリした目でキョロキョロさせていた。たまたま視線が合い手を振ると、キョトンして、数秒後、またキョロキョロ違う方を見ていた。あぁ、無視されちゃったなぁと思った。


 その親子のレジの番が回ってきたとき、また男の子と目線が合って、懲りることなくまた手を振ってみた。すると、今度は手を振ってくれた。ただ、表情がさっきと一緒で、笑顔ではなくキョトン顔。なんだか、ただ手を振るマネをされているようで、くすくす笑ってしまった。そして急に、男の子が左手だけ肩の高さにあげて腕をバタつかせた。「えぇ、なにぃ?」と、こっちがキョトン顔。キョトン返しされる。手の先をみると、右側のレジが空いていた(男の子から見ると左側)。レジが空いたことを教えてくれたらしかった。うれしくてニコッと笑って男の子にお辞儀してレジに行った。ありがとうって言いたかったのだけれど、この一連の出来事にお金を払っていて気づいていない母親に怪訝な顔をされるのが嫌だったのでお辞儀だけ。男の子は相変わらず足をバタつかせ、母親と幼稚園ぐらいの姉(気付かなかったけど)と100円ショップから出て行った。


 計量カップを購入後、いざ、ラーメン作るぜぇ!とならず、お腹がすいたのを我慢できず、結局近くのラーメン屋さんでラーメン食べましたとさぁ。
とんこつラーメンおいしゅうございました。♪
めでたし、めでたし。(o^-^o)
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